迷って悩んでそれでも歩く

仕事、Yoga、日々の迷いや悩み

FACTFULNESを通して見える世界

 緊急事態宣言が出てから1ヶ月近くが経ちました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。自宅で過ごす時間が増えた人の中には、1人の時間あるいは家族と過ごす時間が増えて、これはこれで良かった、という人もいれば、仕事は捗らない、手持ち無沙汰で困っている、という人もいるかもしれません。

 

 私はというと、しばし入院していたこともあり、強制的に働らけない時期でした。職場復帰にはもう少しかかりそうですが、1人時間がそこまで苦ではない、どちらかといえば好きな私にとっては、それなりに有意義な時間ではあります。

 

 いずれにしても、多くの人の働き方だけでなく、生活そのものがこれまでと大きく変わる、そんな分岐点にいることは確かだと思います。

 

 

 国内のニュースはコロナ一色と言って良い状態です。今日の感染者数に始まり、累計の患者数、死亡数、芸能人の〇〇がかかったetc…。続いて企業の業績悪化の報道、経済対策を進めたいけど思うようにいかない現状。世界に目を向けると、緊急事態宣言が解除された国や経済活動が再開された国が出てきており、日本はどうなってしまうんだ、政府は何をやっているんだ、と余計不安に。。。

 そして、今日もstay home。

 

 GW以降もまだ外出制限は続き、業種によってはかなり厳しい状況に追い込まれそうです。

 全体的に今かなり暗いムードが世の中に漂っており、生き方を見失っている人も多いのではないかと思います。

 

 

 最近、「FACTFULNES」という本を読みました。昨年話題になり、実際に読んでみた方も多いのではないでしょうか。私も買ってはあったのですが積読状態だったのがやっと読めました。

 

 この本では世界を正しくみる10の視点として、人間が陥りやすい本能を10個に分けて紹介しています。これら10の本能のために、我々人間は世界を「ドラマチック」にみてしまう傾向があります。これらに気づき、本能を抑えることで世界を正しくみることができるようになる、と筆者は言います。

 

 

 ここで挙げている本能に「恐怖本能」と「ネガティブ本能」というものがあります。「恐ろしいものには、自然と目がいってしまう」ため、「ネガティブなニュースは圧倒的に耳に入りやすく、反応しやすく、拡がりやすく」なります。そのため、仮に世界で良いことと悪いことが同時に起きていたとしても、「世界は悪くなっている」と私たちは考えてしまいがちで、そこに恐怖を覚えてしまいます。

 

 例えば、この先もコロナの感染者数そのものは増え続け、当然死亡者数もまだ増えます。一方で、病気としては軽症者が大半を占め、国によっては乗り切った!というニュースも流れ始めています。

 ですが、一連のニュースを見たり聞いたりした時、私たちはどうしてもコロナの感染者数や死亡者数といったものに目が行きがちです。そして、「コロナ怖い」という恐怖に囚われてしまいます。これ自体は本能のなせる技なので、なにも対策を講じなければ、今の流れでは自然とそういったニュースしか頭に残らず、恐怖や不安しか感じないでしょう。

 

 確かに、コロナウイルスに感染した患者では、一定の割合で急激な悪化を辿る場合があります。先ほどまで会話ができていた患者が、ものの数時間で、もう人工呼吸器をつけないと呼吸が保てないという状況になることがあります。そういう意味では、侮れない感染症であることに間違いは無いのですが、そういった経過を辿るのは一部の患者であって、大半は軽症あるいは無症状で回復してしまうという事実もあります。

 見方によっては「なんだ、ほとんどの人は大丈夫なんじゃん」と考え直すこともできます。ですが、そこに「恐怖本能」と「ネガティブ本能」が働いてしまうが故に、ニュースからはマイナスな内容しか頭に入ってこず、受けた内容についても恐怖と不安で何も考えることができなくなり、結果として「得体のしれない、何か怖いと感じる日々」が出来上がります。

 なんとなく怖い、と感じている人たちは多かれ少なかれ、この「恐怖本能」と「ネガティブ本能」によって、ほぼ自動的に思考が進んでいってしまっているんだと思います。

 

 逆に、この「本能」に気づき、抑えることができれば、世界はもう少し、あるいは全然違って見えるかもしれません。

 

 

 そうは言っても、寝ても覚めても沢山の不安を煽る情報にさらされていたらそうもなるよ!という声が聞こえてきそうですが、ではその情報を取りに行っているのは誰でしょうか。

 いやいや、テレビを見ても、スマホのニュースを見ても、コロナのニュースしかやらないじゃないですか…

 ですが、テレビのスイッチを入れているのも、スマホのアプリを起動しているのも、実は自分です。テレビが勝手について、スマホが勝手に立ち上がって、コロナのニュースをひたすら流してくるわけではありません(中にはテレビが自動で着くような家にいる人がいるかもしれませんが…)。

 

 多くの人は情報の波にのまれているというよりは、勝手に情報の荒波に飛び込んで溺れているだけ、といえるかもしれません。しっかり準備運動をして(前情報となる基礎知識や背景知識を抑えて)、波の状況をみて泳ぎ出せば(自分で対応できるリソースを見極めて、むやみやたらにあれこれ見ない)、そう簡単には溺れません。その準備運動の一環として、FACTFULNESは良い思考の運動になりそうです。

 今日ラジオで「SNS断捨離」ということを提唱している方がいました。

 TwitterFacebookなどのアプリを削除して、Webでloginしてから使うようにしてみるだけでも、ある情報を受けて直ぐに反応するのではなく、すこし間を置いてその内容について考えることができる。ワンクッション置くことで、本能を抑えることに繋がりそうです。

 

 オンラインでの繋がりが増える中、むしろ今こそSNSという流れが来ています。私もアウトプットを増やす一環としてブログの更新を増やそうとしていますが、そんな中でも、少しスマホを置いて散歩に出る、ベランダに出て夜空を見上げてみるなど、デジタル機器から身体を物理的に離す時間を作っています。

 アプリを立ち上げたままではスマホの動きが鈍くなるように、人間の頭もいくつもアプリを立ち上げたままではパンクしてしまいます。アプリを落として、頭を冷やす時間も必要です。

 

 

 こんな時だからこそオンラインですが、こんな時だからこそオフラインでもあるのではないでしょうか。

 GWも残り数日ですが、FACTFULNESを片手に、少しスマホから離れて過ごしてみたら、明日から見える世界が、すこし変わるかもしれません。

 

 おしまい